心筋梗塞を予防するなら1日6杯の飲酒がボーダーライン

適度な飲酒が健康に良いというのは漠然とでも理解している方は多いでしょう。でも、適度って言うけど、具体的にはどのくらいなの?と疑問に思っている方も少なくないはず。今回はその「適量」を心筋梗塞の視点から解き明かしていきたいと思います。

Lgf01a201302041600

アルコールがもたらす効能

アルコールは適量であれば体に良いとされています。身近な効能としては以下のようなものが挙げられます。
■食欲が増す
■ストレスが軽減される
■血行が良くなる

また、上記以外にも健康に良いとして、病気の予防にも効果があると言われています。その一つが心筋梗塞です。

心筋梗塞の予防に適した飲酒量は不明確なまま

適量のアルコールが心筋梗塞予防につながることはかねてから知られていましたが、飲酒量など、どのような飲み方をしても同様の効果が得られるかまでは不明確でした。
そのため、ある研究グループが以下のような調査を行いました。

心筋梗塞予防に効果的な飲酒量のボーダーラインとは

ロンドン大学の研究グループは、52か国において、初めて心筋梗塞を発症した12,195例と年齢および性別を適合させた対照群15,583例を対象に、現在の飲酒量と心筋梗塞のリスクとの関連性を比較検証しました。

全参加者に過去12ヶ月以内に飲んだアルコール飲料について質問し、その頻度を確認し、少なくとも1杯はアルコールを摂取した場合は飲酒ありとされました。
さらに、心筋梗塞の誘因となるかを評価するために、心筋梗塞の症状を発現する24時間前まで、ならびに24~48時間前にアルコールをどのくらい飲んだかを調査しました。

なお、24時間前までの飲酒が6杯以上であるケースを一時的な深酒と定義しました。

過去1年以内に飲酒歴がある場合、心筋梗塞のリスクは減少

過去1年以内にアルコールを飲んだ人は、全く飲んでいない人に比べて心筋梗塞の発症リスクは0.87倍と低くなる結果が得られました。
ただし、その結果を分析すると、性別および年齢において飲酒と心筋梗塞との関連性に有意な違いが確認されました。
それは、女性および45歳以上の男女でより高い効果が見られました。
<非飲酒者と比べた飲酒者の心筋梗塞のリスク>
■女性:0.729倍
■男性:0.918倍
■45歳未満:1.035倍
■45~65歳:0.853倍
■65歳以上:0.870倍

飲酒頻度による差は見られなかった

飲酒頻度で比較したところ、これによる心筋梗塞の発症リスクの有意な違いは認められませんでした。
■非飲酒者:1(基準)
■週1回未満:0.888倍
■週1~4回:0.839倍
■4回以上:0.884倍

ただし、24時間以内の深酒で心筋梗塞リスクは1.4倍に上昇

上記の結果から、適度な飲酒は心筋梗塞のリスクを下げる結果となりましたが、それとは逆に一時的に深酒(1日6杯以上)をすると心筋梗塞の発症リスクは1.4倍に上昇することが確認されました。
詳しく分析すると、男性は5杯以上、女性は4杯以上を24時間以内に摂取するとリスクが1.4倍にUPしました。
さらに、年齢で比較したところ、65歳以上では5.3倍にも及びました。
<24時間以内の深酒による心筋梗塞のリスク>
■45歳未満:0.84倍
■45~65歳:1.6倍
■65歳以上:5.3倍

適度な飲酒量で効果的なアルコール摂取を心がけよう

今回紹介した研究結果から、適度な飲酒は心筋梗塞の予防につながることは確かなようです。しかし、1日4杯、5杯の深酒をしてしまうと心筋梗塞のリスクは一気に上昇してしまいます。
お酒はほどほどが肝心です。特に高齢者は飲み過ぎに注意して、効果的なアルコールとのお付き合いを心がるようにしてください。

参考文献:Circulation. 2014 Jul 29;130(5):390-8.

心筋梗塞を予防するなら1日6杯の飲酒がボーダーライン

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

いいね!を押して最新情報を受け取ろう

*この記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

トップへ